序章−卒業旅行の先は・・・その弐

「ウヒヒッ みなさまぁ〜おきるですぞォ〜 ウヒッ」

怪しげな声と同時に、外光を遮っていたバスのカーテンが一斉に開き、
瞬時にしてバスの中は、昼夜逆転した。

突然のことに、あまりの眩しさに目がくらみ、
メンバーたちは何が起こったのか理解できなかった・・・。

「げっ!どうなってんの?!これ!!」

と第一声をあげたのはルーシーだった。



彼女たちは手に手錠をかけられ、首輪をつけられていたのである。


「ねぇ、、、なんか景色が違うよ・・・どこ〜?ここ〜」
そうつぶやいたパッションに、


「ウヒヒッ、ここは黄泉の国への入り口ですよォ〜 ウヒヒヒヒヒヒヒッ」
との怪しい声が。


「誰だ!オマエ」
N嬢が咄嗟に聞き返す。



「ワテはミナサマの黄泉の国ツアーの添乗員ですぅ。
去るお方から企業秘密の任務を申し仕っておるのです。ウヒヒッ。
申し遅れましたが、ワテはねぇ、添乗員件キミらの担任である、クマータです。
ちなみに今ハンドルを握っているのは、運転手の副魔露。
よろしゅう〜、ウヒヒヒヒヒヒヒヒッ。」


運転手は、軽く帽子を持ち上げて、メンバーたちに挨拶をした。
「すみません、こいつプログラムにバグがあるんですが、
誰も直してなくて故障しているんです。
なにしでかすかわかりませんが、よろしくお願いします。」


メンバーたちは、この意味不明な状況を飲み込めずにいた。

たつまきのように、いや、たつまき以上に「ウヒッ」と笑う
いかにも胡散臭そうな怪しい人物が、いきなり「黄泉の国」に
いざなうといっているのである。
それもその人物が、故障しているというのだ。

まったくもって意味不明である。




誰もがこの状況を消化できず、意味がわからずにいた・・・・。



「ふーん。あっそ。で私たちをどうするわけなの?」
ママが冷静に、しかし非常に強い語調でこう発言した。


彼女はいち早く、状況に適応したようである。
流石、幼い頃からさまざまな地域に移り住み、尋常ではない環境で
育ってきただけあり、彼女にとってはこの突然の出来事も、
快い東風でしかなかったようである。



「ウヒッ、みなさまに殺し合いをしてもらいますよォ〜!」

つづく